追録

 本編が発行されてから間もなく、差別用語が含まれているのではないかという指摘が出てきました。その土地で使われている言葉をそのまま採集する方言研究にとって、差別語問題は避けて通れない問題です。そこで、部落史研究に詳しい桃山学院大学寺木伸明教授(当時)に指導いただき「部落差別、女性差別、障碍者差別の用語も除外せず、方言としてこのまま掲載して、その上できちんと解説をして、差別が広がらないように配慮していく必要がある」という助言を得ました。その方針で、齋藤平氏(皇学館大学准教授)、林一茂氏(毎日新聞社)、森山忠文氏(伊勢まなび高校教諭)の専門家を交えて検討を重ねた結果、平成21年12月に、差別用語と考えられる方言に適切な解説を加えた11ページの小冊子を追録として発行しました。(各氏とも当時の所属)
これにより、『和具の方言』は全3巻+追録という形態となりました。